今朝の長野市の気温は4℃。冬に戻ったかのよう。夫が帰省前にストーブ用品を片付けてしまったので、それを引っ張り出してきて薪も運び、ストーブに火を入れたほど。今日の藍染はお休みです。

先日なぜ京都にいたかといいますと、京都の北、南丹市にあるちいさな藍美術館へ行くためでした。ラオスやタイでつるんでいる(?)キョウコさんと、松阪のYさんもご一緒です。

この京都への小旅行、もとはといえばこちらの「布とお茶を巡る旅」で布茶さんが紹介なさっていた、藍のドキュメンタリーDVDが発端。「ちいさな藍美術館」の新道さんもご出演なさっています。館には新道さんの収集なさった藍染コレクションが展示されているとのこと。ちょうど、“Indigo in Asia” edited by Kapila Vatsyayanという本を読んでいた頃だったので、もう藍と聞けば行く気にならずにはいられませんでした。

 

美山 かやぶきの里
美山 かやぶきの里というだけあり、日本昔話のような風景です

 

美山 - 1
かやぶき屋根は火事になったら大変です 各戸にもひとつづつ「放水銃」なるものが設置されていました

 

「ちいさな藍美術館」Little Indigo Museum
「ちいさな藍美術館」Little Indigo Museum 看板の文字ももちろん藍色

 

二階の展示室 右手前は貴州のピカピカ藍染布 
二階の展示室 右手前は貴州の藍染ピカピカ布の上着  このフレーム外ですが、ミャオ族の刺繍ねんねこもありました

 

こちらは日本の藍染着たち 一つ一つすばらしいものばかり
こちらは日本の藍染着たち 一つ一つがすばらしいものばかり 意味が込められた服というのも、今はなかなか作られていないですよね

 

今や懐かしい「かいまき」。こんな藍のものもあったのですね。
今や懐かしい「かいまき」。こんな藍のものは見たことがありませんでした。

 

展示の藍染めコレクションを見ていると、人間というのは、昔から藍という色に惹きつけられて生きて来たのだということを改めて思いました。美山の美しさもさることながら、世界中を、時間を超えて藍というつながりで旅してきたような気分になり、非常に心満ち足りた1日でした。

前述の藍のドキュメンタリーDVD(ブルー・アルケミィ)を見て疑問に思ったこと、これまで本藍発酵建てで染めてきて疑問に思ったことなどなども、新道さんにしつこく伺いましたが、お仕事の手を止めて、丁寧に私の質問に答えてくださいました。

新道さんは、ご自身の藍染め作品もすばらしいだけでなく、技術や工夫を惜しみなく教えてくださる、本当の先生でした。私もまたやる気が湧いてきました。新道さん、どうもありがとうございました。

 

新道さんの工房にて 藍甕は全部で12基 ご自分で掘って埋めたそうです
新道さんの工房にて 藍甕も元々は全部で16基 ご自分で土間を掘って埋めたそうです 温度管理についても教えてくださいました

 

灰汁を取るための装置。これもオリジナル。私も作ってみたいです。
灰汁を取るための装置。床下に灰汁を受ける甕が。これもオリジナル。私も作ってみたいです。

 

新道さんの工房 北側の眺め
新道さんの工房 北側の眺め

 

こちらは嵐絞りを縦に模様がつくように絞っているところ。新道さんがお作りになった装置。
巻きつけた布一反に、手で細かいひだを寄せていきます(画像は白飛びしてしまいましたが)。大変手がかかる作業。これも新道さんがお作りになった装置。

 

絞り作品を見せてくださっている新道さん
こちらが上の絞りを藍染してほどいたもの。細かいプリーツのようで、豊かな表情があります。見せてくださっているのは新道さん。

 

美山にはきれいな水が流れていました。藍染に最適ですね。そういえば、来る道道、酒蔵も見かけました。
美山にはきれいな水が流れていました。藍染に最適ですね。そういえば、道中、酒蔵も見かけました。

 

移動スーパーへ、休み休み向かうおばあちゃん。かごに注目。
村には、一見献血車のような車の移動マーケットがが来ていました。休み休み向かうおばあちゃん。かごに目がクギ付け。

 

美山
「美山」の名の通りです

雨が降っていなければ(バスの時間も押していたせいもあるけれど)、村を一周して、小高い丘へ登ったり、神社なども巡ってみたかったです。最後に新道さんに教えていただいたスポットから村を見渡してきたので、よしとしましょう。

一人では無言の旅となりそうでしたが、Yさんとキョウコさんのおかげで、ワクワク感も盛り上がり、とても楽しい旅となりました。Yさん、キョウコさん、一緒に来てくださってありがとうございました。

 

「ちいさな藍美術館」は、JR京都駅から電車とバスを乗り継いて、1時間半から2時間ほどの道のりです。

ちいさな藍美術館

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