14日目

14日目

サイゴンへ来て、あっという間の2週間。 食料の買い出しをしたり、息子をジムへ連れて行ったりで、あっという間に時間が経っていきます。これでは日本にいるのと全く変わりのない生活です。 スマホのカメラがあまりに便利なので、カメラを持ち歩かなくなりました。ですが、気持ちが新鮮なうちでないと写真を撮ろうという気持ちにならないので、今のうちに撮っておかないといけませんね。 休みの日には、ポリエステルシフォンのような、きれいな花柄やパステルカラーのワンピースを着ている若い女性たちを見かけます。ふんわりしたお袖やスカートをひらひらさせて、みんなにこやかに歩いています。 日本のように、ナチュラル系、モード系、などのようなはっきりした分類はなく、女性らしいフェミニンなおしゃれが主流のようです。 ちょうど、第二次世界大戦のあとにディオールが発表したのは、ウエストがくびれ、スカートがふんわりした女性らしい形。やっと平和が来たという嬉しさや開放感が、そのシルエットに表れていました。 ベトナムも、つらい時代を経て、経済的にどんどん成長を続け、みんなが平和を謳歌できる時代になったのですね。若い人が元気で、街も活気もあります。とても羨ましいです(と、3年ぶりだけれど、いつも思うことです。前にも書いたような気がしますが・・)。 この後、ワンワンと威嚇されました。きれいにトリミングされていて、大事にされている様子。ベトナムも平和になったなぁとここでも思います。 車のパーツをバスに持ち込んでいるおばさんがいました。前面部分かな?長さ2メートルくらいのものです。 降り口の近くに置いてあり、みんなよけて通っていました。でも、文句を言う人はいません。 公共の乗り物で、乳母車(バギーというのでしょうか?)を邪魔者扱いされたり、赤ちゃんをちょっと泣かせたたくらいで怒られる日本とは大違い!このおおらかさが本当にいいなぁ(中国やタイの地方ローカルバスでは、大きな米袋や家畜が乗っていました。が、ホーチミンは一応大都市・・)。

サイゴンより

サイゴンより

新年あけましておめでとうございます! 皆様がご健康でお幸せな一年となりますように。 バタバタと怒涛の12月を過ごしました(最後の締めくくりは、息子の期末試験で東京へ行ってとんぼ返り)。そして、そのままバタバタと来たベトナムで新年を迎えています。 アジア圏(日本以外の)のどこでもそうですが、ベトナムでも旧正月は盛大に祝うものの、新正月はひっそりとしています。タイのようなカウントダウンの花火もないし、日本の除夜の鐘もなし。静かなお正月です。 こちらに着いてしばらくは、とりあえずホテルに滞在することにしました。 以前住んでいたアパートへ部屋を見に行ったら、知っているスタッフたちも解雇された様子。外国人がまだ戻ってきていないのか、建物の中もシーンとしていました(部屋を借りるには、空き部屋があるのはありがたいのですが・・)。近所の知っているお店も、経営者が変わっていたり、店じまいしていたり・・(3年ぶりということもありますが)。 コロナで影響を受けたのはどこも同じですね。 近所で食べたミークワン(Mì Quảng)。ベトナム中部 Quảng Nam地方のものです。 平たい米の麺に、薄めのスープ、エビ、豚肉などが入っています。ピーナツパリパリのせんべいがトッピングされていて、その上にハーブをたっぷりのせて食べます。ライムを絞り込んでチリをのせるとさらにおいしい。 いつも思うのですが、ベトナム料理には、甘み、酸味、旨み、香り、歯応えなどが一つの料理にうまく入っています。これもそう。さすがです。 … しばらくはこんな調子でベトナムからブログ更新をします。アパートへ移ってからは、また仕事再開です。 皆様、どうぞよいお正月をお過ごしくださいね!

白いクリスマス

白いクリスマス

早朝、父の雪かきの音で目が覚めました。予報以上の吹雪。いよいよこの季節がやってきました。 雪かきを手伝い、吹雪のなか犬の散歩をして1日が始まりました。朝から動いておくと、体が温まってちょうど良いのです。 … 午後には東京へ来ました。クリスマスの日には息子の試験があるのです。高校の単位取得のための認定試験。これを落としたら大変です(留年。。)。 いつもは軽井沢を通って新幹線で東京入りしますが、今回は松本を経由してきました。 北の信州を脱出したところで、もう雪がありません。途中の山梨では、野山の草がまだ青々していて衝撃でした。 東京も秋のような気候です。これならセーター要りませんね。 … 長野の自宅には、夫と冷凍鴨を残してきました。解凍は時間がかかるので、このようにするのだそう。鴨が溺れているみたいです。 私たちが帰宅したら、夫がローストしてくれるそうです。

やっと到着

やっと到着

ベンガルの工房に頼んでおいたカンタが届きました!(いろいろあって、長い道のりでした)。 カンタ(Kantha)とは、古いサリーなどの布を重ねて刺子をしたもの。カンタキルトとも呼ばれています。 装飾性の高い手の込んだものもありますが、私の選んだのは、素朴なもの。これは、生成りのやさしいカディを3枚重ね、白い糸で刺子をほどこしてあります。今、白にとてもひかれるので、この生成りを選んだのですが、よく染まりそうでもあります(あぁ、病気が・・)。 カンタが届いたのはいいけれど、何を作ろうか悩みます。細かく裁断したら、せっかくの刺子が台無しです。デザインもシンプルなものの方がよさそうです。 … 弟の家族のかわいがっているハスキーを預かっています。最近は、黒ラブと二頭立てで散歩をしています(妹と交代です)。 二匹一緒に散歩していて思うのは、性質の違い。 ハスキーの方はとても神経が鋭くて、よく気がつくことと、知能が高いこと(この写真は随分前のものです。たぬきに気がついて注視していた時のこと)。 黒ラブはおおらかでぼんやり、そして甘えん坊。 同じハスキーでも、以前実家にいたハスキーたちとも全く違うんですよね。呼んでも来ないのは同じですけど。 一人一人違うのは、人間も同じ。犬も犬種に関わらず、個体差というものが大きいのだなとおもうこの頃です。 と、ここまで来て、自分から生まれてきたけれど、息子が私と全く違う(というより、もう異星人)のも当たり前だなぁ、としみじみ思ったりしています。

光の中

光の中

「今年こそはフィルムカメラでりんごの写真を撮ろう」と思いつつ、あっという間に冬に突入。りんご園では収穫も終わり、さみしい風景になっています(写真はデジカメでしばらく前に撮ったもの)。 急に気温も下がり、アトリエでのパターン作業も冷たくなってきました。そろそろ自宅へ民族大移動する時期です。 話は変わりますが・・・ この日のブログに登場してくれた友人が、今年の夏に急病で亡くなりました。 イギリスへの一時帰国中で、しかもあまりにも急なこと。最後に一目会うこともかないませんでした。 彼は夫の三十数年来の親友。私も寂しいけれど、夫は言い尽くせないほどの悲しみの中だと思います。 木版プリントをほどこした布で服をつくろう!と、話題にはよくあがっていながら、私の力不足で実現できないまま・・(ラルフ、ごめん!)。 人間、生きていればそれだけ悲しい別れの数も増えていきますね。それは誰にでも起きることです。 自分にできることは、今という時間を一緒に生きている家族や友達、つながりのある方を大切にすることではないかとぼんやり考えています。 コロナ渦で会えずにいた人たちとも会おう(いつ自分がどうなるかもわかりませんから・・)。 … 散歩の途中で、サンタさんを見かけました(マネキンです)。 ブロッコリー泥棒に見えました(笑)。 プレゼントの袋に入れて持って帰るのかな・・?

冬の準備

冬の準備

書きたいことはたくさん思いつくのですが、なかなか時間がとれないままでいます。この調子で今年も終わってしまいそうな予感がします・・。 … 今年は、息子のクライミングのトレーニングにつきあいすぎました。 運転してジムへ連れて行けば、それで私の1日がつぶれてしまうことも度々。時間にしたら、一年のうちの二ヶ月ぶんの時間を費やした気分です。 新しい形のアイデアがあっても、なかなかまとまった時間がとれませんでした。まぁ、息子につきあっていたのは、息子の要請でもなんでもなく、私の好きでやっていたことなのですが・・。 考えてみれば、息子もあと2年で成人するのです。私も考えて、本人に任せることに決めました。いつまでも親がでしゃばっていては、子供も自分のことができるようになりませんから・・。 ちょうどこの1ヶ月間、息子の咳が続いてトレーニングを休んでいたのです。その間、これまでを振り返るよい機会となりました。 来年は新しいものを見ていただけるように、いまは準備を進めているところです。東京での展示も復活しますよ!! … お天気を見て、最後の藍染めをしました。 そのあとは、洗って干して、今年は染めももうおしまい。 もうしばらくすれば、水が凍り始めます。 旧・藍甕(笑)で蓮を育てて2年。 めだかがボウフラ退治に今年も活躍してくれました。このまま藍甕の中に放っておけば凍ってしまいます。 息子に頼んで、60センチ深さの穴を掘ってもらいました。プラスチックの樽を丸ごといけて、めだかを移住させました(陶器は凍ると割れるので)。 土の表面は凍りますが、地中から汲み上げる井戸水はあたたかく感じます。なんとか底のほうで生き残ってくれるといいな。 家の周りを片付け、日除けをしまい、窓をふさいで、水道のヒーターもチェック。冬を迎える準備も進んでいます。

どうもありがとうございました

どうもありがとうございました

秋のオンラインストアが11/4に閉店いたしました。 たくさんのみなさまにご覧、そしてご注文をいただきました。どうもありがとうございました。 今回は、ラストスパートにおどろきました・・みなさま、よくよく悩んで選んでくださったということがわかりました。 夏とは違って、秋らしい色を選んでくださった方が多かったのも印象的でした。みなさまのお手元でお役に立ちますように! … コロナの前に最後の展示会を開いてから、もう3年も経ってしまいました。 今年はそろそろ展示会ができるかな・・?と思っていたのですが、結局はすべてオンラインでさせていただきました。 来年こそは、感染対策をしながら、東京の展示会を復活できたらいいなと考えています(希望です)。 なかなかお会いできない遠方のみなさまも、気にかけてくださっているのがとてもありがたいです。もちろんオンラインも続けますね! … 話はガラリと変わりますが・・・ 11年前、夫の実家(アメリカのフィラデルフィア)へ行った時に、近所にあった大きなシルバー・メープルの木の種を拾ってきました。 植えると芽がでてそれがすくすくと育ち、ここ何年かで突然急に大きくなったのです。10mは軽く超えていました。 そこで出てきたのは、地下にある水道管が痛むのでは?という心配。まさかこんなに大きくなるとは・・・。 今年はその木を思い切って切ることにしたのです。 先週末はその作業をしていました。 父と足場を組み、夫や息子も借り出しての作業です。枝を下から少しずつ切り、それを片付けてから、幹を切っていきました。 シルバー・メープルはとても硬い木で、先住民(アメリカインディアン)がカヌーの材料にしたそうです。チェーンソーなしではとても切れなかったでしょう。 (アメリカインディアンは、樹液を咳の薬にしたという(薬用メープルシロップですね)にしたとも読み、いつかメープルシロップを作る日を楽しみにしていました)。 花が咲いたら種を採ろうと思っていたのですが、なかなかできませんでした。最近になってようやく花芽がついたのです。咲くのは来年の春。残念ながら間に合いませんでした。 義母がホームへ引っ越したので、夫の実家もなくなりました。シルバーメープルの生えていたあの場所へ行くことももうないでしょう。 家の敷地に大きくなるものを植えてはいけないという勉強になりました。

ストア オープンしました

ストア オープンしました

10/25に秋のオンラインストアがオープンしました。 みなさま、たくさんのご注文をどうもありがとうございます。 発送作業をいま進めています。 机の上にご注文分を並べてみると、それぞれとてもきれいです。薄手のものがほとんどですが、秋冬の重ね着の上に、草木染めの色を加えていただければ嬉しいです。 予定通り、第一便は28日に発送の予定をしています。 そういえば今回は、なんとカディのブラウスが一種類しかありませんでした。予定していたものが間に合わなかったのです。 … 1ヶ月待った夏のカディが、とうとう到着しました。 ベンガルで作ってもらったとてもよいカディです。 これは到着したときの梱包(この上から透明ののびのびプラスチックがぐるぐる巻きになっていました)。布で丁寧に包まれ、合わせ目は手で縫われています。インドからの荷物の到着はいつも感動的です(いろいろな意味で・・)。 これで来年の夏のカディの心配がなくなりました。

秋の色とオンラインストア

秋の色とオンラインストア

ようやくオープンのめどがつきました。 10月25日(火) 21:00〜 10日間ほど開けるつもりです。 数も少ないささやかな オンラインストア になりますが、ご覧いただければ幸いです! … 一番上の画像、奥のオリーブグリーンは、やまももで何度も染めた海松色(みるいろ)です。 濃くとても深い色。これは今の時期に着たいですね。 … … この週末は久しぶりによいお天気が続いています。 洗って仕上げて乾かして・・・あとは写真撮影が待っています。 (実は藍染はまだ全部終わっていません〜)。

秋の染め

秋の染め

あっという間に10月になってしまいました。 過ごしやすくなってきたので、ようやく藍染めを再開しています。 秋らしい色も染めてみたいなぁ、と思いながら、昨日は玉ねぎの皮を煮出しました。何度も染め重ねるとオリーブ色になります。外で煮出すのですが、辺り一帯にスープのいい香りがするんですよ。 辛子色にも挑戦しようと思っています。石榴(ざくろ)かな、やっぱり。 … 下は、来年のブラウスの試作。 パターンの段階で何回か作り直し、薄いコットンで作ってみたらイメージがいまいち違うので作り直し・・ということをしていたら、どんどん時間が経ってしまいました。これはひとまず寝かせておきます。いつも、形が決まるまでは、マラソンを走っているみたいです。 来春用のカディも、しばらく前に注文しました(ドルが強すぎる・・・)。カウント200の繊細なカディです。ベンガルのいつもの工房です。 すぐに送ってくれるという話だったのに、なんだかずるずる先延ばしになりました。今週はドルガ・プジャ(Durga Puja)というお祭りがあるということで、また更に先になりました。やっぱり・・。 インドから送ってもらうのはいつもこんな調子なので、それを見越して半年前に発注することにしたのです。また美しいカディでブラウスを作ることができて幸せに思います。 … 最近やっと、「CALICOのインド手仕事布案内」小林史恵著(小学館)を手にすることができました。 「インドの美しい手仕事布をめぐる旅」とあります。インドのひとびとと布つくり、服つくりを続けるCALICOさんによる、インドの布という大きな森への案内です。時間をかけて職人の手で作られる布たち、その土地や職人、背景のドキュメントがぎっしり詰まっています。 私なんかインドからカディを何年も注文していますが、このような背景は現地にいる方でないと分からないこと。さぞご苦労なさっていることでしょう・・・。これはインド布への愛がないとできないことだと思います。素晴らしい。 また、一ページ読んで、著者小林史恵さんの豊かな語彙に心を打たれました。相当本を読んでいらっしゃる方だなぁ、と。「きゃー、きれい、かわいい、素敵!」ではなく、目にしたことのないものを言葉で説明するのはとても難しい。でも、小林さんの言葉には生命が宿っていると思います。 私もまだ全部読み終わっていません。雨の日にでもじっくり広げるつもりです。