ここのところ毎朝寒く、ストーブに火を入れたいと思うほど冷えることがあります。扇風機もカディの服もだしてあるのに、出番はまだ。本当に夏が来るのか心配になってくるこの頃です。

先週、友達の夏子さんが森から遊びに来てくれました。夏子さんは子育てが落ち着き、「紙の記憶」という屋号で和紙を漉き作家として活動をしています。

和紙もいろいろですが、夏子さんがつくるのは、地元産の楮を雪で晒して白くし、手で漉いた内山紙。最近は、和紙とはいえ、外国産の材料も使っている場合がよくあるそうです。最終製造地だけの記載だと、材料の原産地まで見えにくいのは、布などの繊維や食べ物でも同じだなぁ、と思いました。

作品をいくつかいただいたのですが、上の写真は二枚重ねの和紙を柿渋で染めたものだそうです。強くてしなやか。バッグやポーチにしてみたい!と思いました。柿渋も、和紙と出会うとこんなに柔らかくなるなんて。花びらで染めた和紙も見せてもらいましたが、はっとする鮮やかさ。違う素材に染められている色をみるのも、また面白いですね。

同じ草木染めでも、野山で草木をみつけてきて染める、ということを私はもうやっていないので、この身近な草木の色がとても新鮮に思えました。まるで森のかおりがするようでした。

夏子さんのご家族は、創業150年という老舗の本屋さんを長野で営んでいて、併設のギャラリーでは、かつて私も大変お世話になりました。初めて展示でお借りしたのがたしか22年前。その時は、新聞に告知を載せることがうまくできず、立ち寄る方はほとんどいませんでした。そこで、夏子さんのお父様が、本屋さんに来ていたお客さんたちに、私のDMを手渡ししてくださったのです。そのご親切はいつまでも忘れません。

あれから22年も経っているなんて!改めて考えると、ここまで服を仕事にしてこられたことに驚きます。これも、いろいろな方のご親切やお気持ちをいただいたからこそ、続けてこられたのだと思います。

この日は、本当に久しぶりに夏子さんにお会いしたのです。制作のこと、和紙をとりまく現状のこと、子供のこと(お互いバイリンガルの子育てをしているので)など、たくさんお話をしました。

「つくる」ということが日々の最優先にくるのは、私も夏子さんも同じのようです。和紙の存続を心配しつつ、一生懸命制作に打ち込んでいる夏子さんを、心から応援しています。私も、自分でできることを細く長く続けていこうという気持ちでいっぱいになりました。

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